作戦日誌  Mission 03
作戦開始地点  Noordoewer
攻撃目標  @E.filiflora(魔女の簪)
 AE.friedrichiae(白鬼塔)
  ※E.multiramosa(轉輪王)及びE.namaquensis
   はシノニムであるとされる
 BE.pentops(白頭竜)
 CE.versicolores
 DE.ramiglans(ラミグランス)
 EE.confluence
 FE.melanohydrata(多宝塔)
作戦概要  払暁に国境を突破し、南アフリカ共和国に侵攻。Vioolsdrifから南下してSteinkopfに至る間に@Aを撃破する。Steinkopfからは西進し、Port Nollothに至る道中でBCDを撃破。そこから北進しながらEを、Alexander Bay付近でFを撃破する。その後は来た道を夜間行軍でSteinkopfまで戻り、そこから南進してO’Kiep付近に進出して野営する。



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 ナミビアの出国手続きを済ませ、国境になっているオレンジ川に架かる橋を渡った。そこはもう南アフリカ共和国(以下「RSA」と表記)の国境の町 Vioolsdrifである。国力の差なのか、RSA側のイミグレの建物はナミビアのそれよりもはるかに立派な造りだ。まずは出入国管理官の窓口でパスポートを出して入国のスタンプをもらい、別に申告する物もないので税関をすっとばして、警察の窓口へ。そこで名前やレンタカーの情報を登録して入国手続き完了。窓口はこの順に1〜3の番号がついており、その番号順に動くだけなのでとてもわかりやすい。早朝で混んでいないこともあって、5分程度で終わった。6時を過ぎて東の空が明るくなり始めた。眠気もないので仮眠を取ることをやめ、残しておいたペッパーミートステーキパイで朝食。うん、美味い。自宅を出る前にシャワーを浴びてから洗髪していないので、イミグレのトイレで洗髪しておく。最後に車でイミグレを出る時に警察による荷物チェック。今はまだ何の問題もないので、余裕でクリアした。

 6時半にイミグレを出発。いよいよタコ物探しだ。R7号線を南下する。まずはVioolsdrifからSteinkopfまでの間で、魔女の簪と白鬼塔を見つけなければならない。魔女の簪は翌日も分布エリアを行軍するので見つけられなくても問題ないが、白鬼塔は今日が勝負だ。

 イミグレからちょっと走った所でこの遠征で最初の索敵を行った。周囲はとても乾燥しており、岩が多い環境でゆーふぉはありそうもない。国境も越えたので、停車したついでにフィールドワーク用の迷彩ズボンに履き替えた。これで自分の気持ちもぐっと引き締まる。写真を数枚撮って先を急いだ。


最初の索敵ポイントにて(道路に向かって)


最初の索敵ポイントにて(山に向かって)


乾燥に強そうな潅木


紫色の花をつけた潅木

 またしばらく山間部を走って路肩に車を停めて索敵。ゆーふぉの姿はまだ見えないが、植物の種類と数がだんだん増えてきた。棘だらけのかっこいい植物が生えていた。ゆーふぉじゃないけど、これ良いな。


名無し3−1−1


名無し3−1−1の花をアップで

 R7号線を走り続けると、やがて山間部から砂漠のような風景に変わった。事前に調べた情報から、ぼちぼち白鬼塔の分布するエリアだろうと運転中の索敵にも力が入る。


Vioolsdrif付近の山間部の景色


やがて砂漠っぽい景色になった


相棒を路肩に停めて索敵


周囲はこんな感じ 路外には必ず牧場のフェンスがある

 国境から10kmほど走り、「Koubank」という地名の標識がある岩場でようやくゆーふぉにご対面。それまでも道路から遠い岩場に生えているのは見えていたが、近くで見るのは初めてなので胸が躍る。ここではE.virosa(矢毒キリン)とE.lignosa(魔針竜)が確認できた。また、メセンやよくわからない多肉植物も見つけた。


矢毒キリン1


矢毒キリン2


矢毒キリン1の枝


魔針竜1


魔針竜2


名無し3−1−2


Mesembryanthemum sp.

 矢毒キリンを見つけた場所で写真撮影をしていると、やがて霧雨が降り始めた。車に戻り、白鬼塔を探すためにR7号線をさらに南進する。

 8時半、16℃。運転しながら周囲に目を光らせていると、矢毒キリンのポイントから600mか700mほど走った平地でついに白鬼塔らしきシルエットを見つけた。すぐに停車して、フェンスを乗り越えて近づいて確認する。間違いなく白鬼塔だ。最初の攻撃目標を難なく撃破!『Euphorbia Journal』の記事通り、開けていてよく風が吹く砂の土壌の場所にあった。厳しい環境のせいか、小さな苗は見られず、ある程度育った株ばかりだ。また、ぽつぽつと見えるものの、たくさんあるという感じではない。他の植物も含めて植物の密度は少ない場所だ。他にもサルコカウロンらしき植物などが分布していた。


白鬼塔1


白鬼塔2


白鬼塔3


白鬼塔3の反対側


白鬼塔4


白鬼塔5


白鬼塔6


白鬼塔7


白鬼塔の亡骸
過酷な環境ゆえか、それとも寿命ゆえか。。。


白鬼塔の分布地の土壌
画像内に白鬼塔の小さな小さな実生苗が1つあるから探してみて!


R7号線沿いの白鬼塔の分布地にて
中央やや上に見える岩山が先ほどの矢毒キリンのポイント


白鬼塔の分布地の様子
フェンスの向こうに黒くぽつぽつ見えるのが白鬼塔

Sarcocaulon sp.


名無し3−1−3

 白鬼塔の魅力を十分に堪能し、南進を再開した。天気は霧雨が降ったり止んだりしている。周囲の植物の様子も少しずつ変わってきた。何回か止まって索敵する。


R7号線沿いの景色1


R7号線沿いの景色2


名無し3−1−4


名無し3−1−5


名無し3−1−6


名無し3−1−7


フェンス際に生えていた白鬼塔2株


左の画像の2株を右側面から


R7号線沿いの景色3


R7号線沿いの景色4


名無し3−1−7


名無し3−1−7をアップで

 白鬼塔は最初に見つけたポイントから10kmほど走ると全く見なくなった。やはり貴重なゆーふぉなんだろう。

 9時55分、Steinkopfに到着。白鬼塔は見つけることができたが、魔女の簪は見つけられなかった。まあ、明日もまだ分布域の中にいるので大した問題ではない。国内では激レア種である白鬼塔に出会えたのだから良しとしよう。<続く>





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