ClanwilliamまではR364号線の一本道だ。空は朝からずっと曇天が続いていて、Graafwaterの手前で霧雨が降ってきた。本来の予定ならGraafwaterでE.tuberculata(緑仏塔)を探すはずだったが、Doringbaaiで見つけたのでそのまま通過する。


Graafwaterにて

 Clanwilliamまで10kmの標識を過ぎた頃に雨は上がった。この辺は牧場や円形の大規模な麦畑が多い。よく整地されており、一度全ての野生の植物を薙ぎ払ったのだろう。その時にいったいどれだけの貴重な植物が失われたのだろうか。人間の経済活動が自然を破壊するという構図は世界中どこでも見られる。自然を愛する人間としてとても残念だ。


R364号線の景色@


R364号線の景色A


R364号線の景色B
遠くにClanwilliamの町が見えてきた

 11時15分、Clanwilliamに到着。R7号線と町の間を流れるOlifants川はかなり増水しているようだった。なるほどね、昨夜Lutzvilleで橋が水を被っていたのはこういうことだったのか<ここより下流にLutzvilleの町があり、河口の村がPapendorpである>。もうちょっと空腹を我慢して、昼飯はVanrhynsdorpで調達することにした。そうするとこの町に用はないので、そのままR7号線に乗り換えて北へ向かう。


Olifants川の上流に向かって
増水しているのがよくわかる


Olifants川の下流に向かって
橋の右側にClanwilliamの町がある

 ClanwilliamからVanrhynsdorpに向かう途中にはブドウ畑が見えた。そういえばこの辺りはワインの産地としても有名だった。まあ、俺はワイン好きじゃないからどうでもいいんだけど。。。

 12時半、18℃。

 R7号線を北進し続けると、やがてテーブルマウンテンが見えてきた。遠征前に何度も何度もGoogle Mapの航空偵察で見ていた岩山だ。横から見るとこんな感じなのか〜。ずっと実物を見たいと思っていたので嬉しくてしょうがない。遠征のルートを策定し始めた頃、このテーブルマウンテンにも登ってみようと思っていたが、登ってもきっとタコ物はないだろうな〜。この山を何度も何度も見ながら車を走らせる。


R7号線の景色@


R7号線の景色A


R7号線の景色B


Vanrhynsdorpの南にあるテーブルマウンテン

 12時40分、Vanrhynsdorpに到着。昼飯を調達するためにスーパーマーケットへ。嬉しいことに野菜売り場でトマトを見つけた。1kgあたり12ランド(約120円)の量り売りで、1パックに3個か4個入って6.5〜7.5ランド(約65〜75円)ほどと安い。大好きな野菜だし、調理しないでそのまま食えるし、ビタミンも豊富なので3パックまとめ買い。主食はパン売り場でカレーパンのようなものといつものペッパーミートステーキパイ。ミネラルウォーターも調達しておく。


飲料売り場の左側
ジュースがいろいろ並んでいる


飲料売り場の右側
コカコーラ多過ぎじゃね?

 買い物終了後、すぐにR7号線に戻って北進再開。Clanwilliam周辺は丘陵地帯だったが、Vanrhynsdorp周辺はずっと遠くまで平原が広がっている。潅木は無数にあるものの、高さ1m以上になる木はほとんどない。この植生は自然のものなのだろうか。


R7号線の景色C


R7号線の景色D

 Vanrhynsdorpを出て10分ほど走った所で休息所を見つけたのでピットイン。ナミビアもそうだが、南アフリカ共和国(以下「RSA」と表記)では主要道路には数十kmごとに休息所が設置されている。状態は様々で、日陰を作るための大木があったりなかったり、椅子と机があったりなかったり、それに屋根があったりなかったりと状態はいろいろだ。それとゴミ箱もあったりなかったりする。何もなくて駐車するスペースがあるだけという所もある。南米だったら物売りのおばちゃんが居そうなシチュエーションだが、そのような人は全くいない。

 もう13時になるので、ここでランチ休憩を30分取ることにした。テーブルマウンテンを眺めながらのランチは最高だ。日差しが強いものの、心地良い風が常に吹いているので日陰に入れば半袖Tシャツがちょうど良い。買ったばかりのカレーパンもどきとトマトを食べた。食べる物は質素だが、シチュエーション的には最高の贅沢である。

 食後はタバコを一服しながら作戦日誌を書く。今日は朝から最高の一日だ。ここからRSAの中央部まで一気に駆け抜ける。遠征のルートを考えている時に無謀かなと思ったが、その一方で俺ならできるとも思っていた。


テーブルマウンテンをバックにランチを食べた休息所で

 13時半、再びR7号線を北上する。もちろんたまに索敵するが、あまり力を入れずに何か面白いものがあればラッキー程度にしておく。


名無し5−4−1


名無し5−4−2


メセン 名無し5−4−3


名無し5−4−4


メセン 名無し5−4−5


名無し5−4−5をアップで


R7号線の景色E



道路工事の作業員のための仮設トイレ
手榴弾のようなフォルムが最高!


メセン 名無し5−4−6


名無し5−4−6をアップで

 Vanrhynsdorpの北は航空偵察で見ると白くなっているのでどうなっているのだろうと思っていたが、白い小石がたくさんあるのでその正体がわかった。なるほどね。何かおもしろい植物がありそうだと思って白い小石が多いポイントで索敵してみた。するとモニラリアを発見!かわいいな〜。そして、玉型メセンも発見。なんとも言えない薄い緑色が良い。まるで周囲に擬態しているかのような色と形状だ。植物は動物と違って目があるわけではないのに、どうしてこのように周囲に溶け込むような草姿に進化できるのか不思議だ。


メセン 名無し5−4−7


メセン 名無し5−4−8


メセン 名無し5−4−9


モニラリア sp.


メセン 名無し5−4−10


名無し5−4−10は画像内にいくつあるでしょう?


名無し5−4−10探しの上級者編

 白い小石エリアを抜けると、再びお花畑エリアに入った。どこまでもどこまでも広がるお花畑。昨日はうんざりだと思っていたけれど、今日は朝から戦績が良いので気分も良い。はしゃいでジャンプした写真を撮ろうとしたが、シャッターとタイミングが合わずに10回近くもジャンプしてしまった。そして、こんなことで体力を浪費してしまったことが後で響くことになる。。。


R7号線の景色F


R7号線の景色G


R7号線の景色H



延々と続くお花畑で俺の頭もお花畑
見よ、このジャンプ力!

 14時半、23℃。

 15時、Bitterfonteinに到着した。<続く>





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