町に入ると薪を担いでいるおっちゃんを見つけたので声をかけてみた。E.namibensis(蛮童子)について訊くと、この町の周囲にもあるが、B4号線を町から2kmほど走るとAus Vistaという集落があり、その周辺にたくさんあると教えてくれた。さらにB4号線の終点であるLüderitzにはもっとたくさんあるらしい。Lüderitz周辺では蛮童子の報告はないので、E.ramiglans(ラミグランス)と混同しているのかもしれないが、いずれにせよ有益な情報だ。チップとタバコを渡して別れた。


Ausの町(白人居住区)

 空腹なので飯にしたいが、町で最初に見つけた店は閉まっていた。車で町中を流していると、ガソリンスタンドと併設の店を見つけた。給油と買い物で一石二鳥だ。ガソリンは1リットル=12.06ナミビアドル(約120円)。店でサンドイッチ・バーガー・ジュースを買う。


Ausのガソリンスタンドにて

 13時20分、おっちゃんに教えられたAus Vista付近に到着。まずはサンドイッチを食べて腹ごしらえ。食後、すぐに周囲を丁寧に索敵したが、蛮童子は見つからなかった。B4号線沿いに数ヶ所のポイントで索敵したが、やはり成果なし。土壌は多宝塔を見つけた場所と同様なんだけどな〜。明日も蛮童子を探す時間はあるので、計画を変更してLüderitzでラミグランスを探すことにした。Lüderitz近郊でラミグランスの分布報告はないが、ナミビアの海岸沿いにも分布報告があるので見つけることができるかもしれない。


索敵したAus Vista付近のポイント


上の画像のポイントからAus Vistaを望む
画像上方の道路がB4号線


E.sp.aff.gariespina


E.sp.aff.gariespinaをアップで


名無し11−4−1
たぶんGazania sp.


名無し11−4−2



名無し11−4−3
Gazania scabraか?

 そうと決めたらさっさと行動に移す。遠征前の計画で行く予定はなかったので地図はないが、一本道なので迷うことはない。B4号線を西にひた走った。やがて周囲の景色が砂漠そのものになり、植物はほとんどなくなった。これがナミビアの国名の由来にもなっているナミブ砂漠か。「ナミブ」は原住民の言葉で「何もない」という意味だが、そのとおり何もない。植物がないので索敵する必要もなく、ずっと直線なので無意識にスピードが出てしまう。気付くと150km/hで走っていることが何度もあった。


B4号線の景色1


B4号線の景色2


B4号線の景色3


B4号線の景色4

 Lüderitzの15km手前からは、周囲が霞み始めた。砂粒が強風に吹かれて路上を転がっていくので、霞の正体は細かい砂粒だろう。Lüderitzの空港付近で写真を撮ったが、カメラの三脚などとても立てられないほど強い風が内陸に向かって吹いている。


Lüderitzの空港


Lüderitzの空港にて

 空港から少し走った所の砂丘で索敵したが、ゆーふぉは見られなかった。強風で枝葉が折れないように進化したのか、低い灌木が2〜3種あるだけだ。


索敵した砂丘のポイント
強風で舞い上げられた砂塵で霞んでいるのがわかる

 やがてLüderitzに到着した。<続く>






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