作戦日誌  Mission 12
作戦開始地点  Ausから83kmのC13号線
攻撃目標  @E.namibensis(蛮童子)
作戦概要  野営地を出発し、Helmeringhausenに至るまでに@を撃破する。その後、北上してMaltahöheを経由してWindhoekに戻る。



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 6時起床。気温は9℃。昨夜は俺が知る限り停車してから3台の車がC13号線を通ったが、うち2台は荒野のど真ん中で停車して寝ている俺を心配して大丈夫かと声をかけてくれた。生活していくのに苦労するような所に住んでいる人は優しいな〜。

 乾パンを水で胃に流し込んで簡単な朝飯にする。

 やがて陽が昇った。今日は索敵らしい索敵ができる最後の日だ。なんとしても蛮童子を見つけたい。思いはそのひとつだ。


C13号線の野営地にて

 7時、9℃。野営地を出発し、索敵しながらC13号線を北へ。

 8時、最初に見つけた牧場に行き、オーナーの家族と思われる白人青年に蛮童子についての情報を訊いた。約30km先の道路右側にあるとのこと。これはすばらしい情報だ。

 車で走っていると、ウシ科の動物がいた。牧場のフェンスを軽々とジャンプして越えていく。牧場のフェンスで野生動物の行動が制限されてしまうと思っていたが、そんなことはないようだ。


ウシ科の動物


C13号線の景色1


C13号線の景色2


C13号線の景色3

 8時50分、Helmeringhausenに到着。1本の通りの両側に数軒の家が建っているだけの小さな村だ。先ほどの牧場から距離はちょうど30km。「AusからHermeringhausenの間に蛮童子があるはずだけど、どこにあるか教えてくれ」と言ったのに、いつの間にか俺のしょぼい英語の理解力のせいでHelmeringhausenの村の場所を蛮童子のある場所と勘違いしていたようだ。がっかり。

 水と食料が尽きかけているので、店に入って買い物をする。まずは水とジュースを確保。残念ながら食べ物は乾物と菓子しかないので、仕方なくミロのシリアルを購入した。レジ前にバナナがあったので値段を訊いてみると、なんと1本4ナミビアドル(約40円)。1房でなく、1本でこの値段かよ!驚いた。しかし、迷った末に1本だけお買い上げ。

 店の店員と併設の郵便局の職員に蛮童子について尋ねたが、何も情報は得られなかった。職員が紹介してくれた店のバックヤードにいたおっちゃんが植物好きで、店の敷地にいろいろな多肉植物を植えていた。サルコカウロン・サボテン約10種・ハオルシア・ガステリアなどがあった。自分でフィールド採集をして持ち帰った植物もたくさんあるとのこと。残念ながら、彼からも蛮童子についての情報は得られなかった。せっかくなので、ずっと疑問に思っていたことを訊いてみた。「メルクボス」は英語でいうところの「ミルクブッシュ」なのか、と。その答えはやはり俺の予想通りそういうことだった。なるほどね。Loxtonの町の前にある緑枝類を教えてくれたじいちゃんの件もこれで腑に落ちた。


Helmeringhausenの村

 9時半、20℃。村を出て、C13号線を北に走り出した。Maltahöheまでは142kmの道のりだ。その後は首都のWindhoekに戻るつもり。ここから先に蛮童子の分布報告はない。がんばったけど、蛮童子は見つけられなかったな〜。その時、安西先生のあの言葉を思い出した。



 昨日は一日中がんばったけど、今日はどうなんだ?ベストを尽くしたと言えるのか?まだ時間も9時半を少し回っただけじゃないか。もう蛮童子を探すのを諦めるのか?
 そう自問自答して、来た道を戻って再度道路沿いを探してみることに決めた。すぐにUターンしてC13号線を南へ。


Helmeringhausen近郊にて

 10時、21℃。

 10時15分、C13号線の西側にある牧場に入った。オーナーは不在だったが、使用人のおばちゃんに訊くと蛮童子が牧場の敷地内にあるとのことなので許可をもらって索敵することにした。期待を胸にリュックに必要な物や貴重品を詰め込んで車を離れたが、何人かいた他の使用人に訊くと口を揃えて見たことないと言う。土壌の様子も現地株の写真のそれと異なっているし、ここにはないと判断して他所で探すことにした。牧場を離れる前に使用人のおばちゃんに頼んで、尽きていた雑用水を補給させてもらう。

 C13号線の西側にあるのはわかっているが、なかなか見つけることができない。

 11時20分、8時頃に一度行った牧場に再度行ってみたが、無人だった。往復20分かけて道路に停めた車に戻る。

 11時45分、その牧場を出発。気温は25℃。運転しながらHelmeringhausenで買ったミロのシリアルを水で胃に流し込んで昼食とする。高かったバナナも食べちゃう。


C13号線の景色4


C13号線の景色5


C13号線の景色6


C13号線の景色7

 今日は空に薄い雲がかかっているが、日差しは強い。心地良い風が吹いているので、車外に出ればそんなに暑いとは思わない。

 12時、28℃。

 12時10分、野営地を通過。


C13号線の景色8


C13号線の景色9


名無し12−1−1
とても小さい葉がびっしりと付いているおもしろい潅木


名無し12−1−1をアップで


 13時、28℃。C13号線の東側に牧場を見つけたので行ってみた。応対してくれたおばちゃんによると、牧場の敷地内にキャンプ場も経営しているとのこと。周辺の自然環境にとても詳しい人で、建物の周囲にはアロエ・ガガイモ・サボテンなどがセンス良く植えられていた。年間降水量が80mmしかないのに、数日前に10mmも降ったと嬉しそうに話していた。蛮童子を探していると言うと、このエリアの動植物の写真と説明が収められた自作のファイルを見せてくれた。そして、その中には蛮童子の写真と説明もあった。これを探していると言うと、C13号線から少し入った所にあるけど、とても数が少ないと教えてくれた。そして、C13号線を南に走った所にある1軒の牧場を紹介してくれた。そこの敷地内にあるとのこと。これは信頼できる情報だ。ついでにこの辺りにヒョウはいるかと訊いてみると、いるとの答え。昨夜はそんな所で夜営したのか。。。でも、人間を襲うことはないとのこと。彼女も一度ヒョウに遭遇したことがあるが、すぐに隠れてしまったそうだ。彼女曰く、「ヒョウってとてもシャイなの。」「ヒョウってシャイなんだ。じゃあ、俺と同じだ。俺もシャイボーイだからね。」とジョークを言っておく。ゆーふぉは他にも山にE.avasmontana(婆羅門閣)があると教えてくれた。礼を言って牧場を去る。


C13号線の景色10


上の画像のポイントの植物


C13号線の景色11


C13号線の景色12

 牧場を出て少し走ると、山の斜面に婆羅門閣が見えた。さきほどの女性が言っていたやつだ。山の斜面に多いが、道路脇の平らな牧場の敷地にも少しある。道路脇の近くにある株の周囲で、ハエにたかられながら記念撮影をした。俺はウンコじゃねーぞ!!!w


婆羅門閣1


婆羅門閣の分布地にて


婆羅門閣2


婆羅門閣の枝先をアップで

 写真撮影の後も南に走り、教えられた牧場に着いた。<続く>





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