16時20分、30℃。最初のゲートまで戻った。道を東に進む。


Prince Albert−N12号線間の景色1


Prince Albert−N12号線間の景色2


Prince Albert−N12号線間の景色3


名無し7−4−1

 17時、28℃。道の北側に牧場の建物を見つけたので入ってみる。白人オーナーに写真を見せながら訊いてみると、E.albertensis(蘭蛇丸/宝冠/錦宝冠)は見たことないけど、E.arida(白仏塔)の写真を指差しながらこれは牧場内にあると教えてくれた。両種の分布エリアで考えれば、白仏塔ではなく、E.suppressaだろう。道に平行して連なる丘の向こうにも丘が連なっており、そこの北側斜面に自生しているとのこと。北半球では南向きが日当たり良好であるのは常識だけど、ここ南半球ではその逆で北向きが日当たり良好となる。連れていってくれると言うので、もちろんそれに飛びついた。


牧場入口にて(翌日撮影)

 17時30分、ピックアップトラックで出発した。オーナーであるニコルと彼の奥さんの従兄弟であるテランスと犬3匹と俺。俺と犬たちは荷台に乗る。牧場の建物から2〜3kmほど走り、ポイントに到着。北側の斜面のあちこちにE.enopla(紅彩閣)、いやE.heptagona(紅偏閣/彩光)というべきブッシュ型柱状種が自生していた。E.suppressaは石の間から顔を出しているとのことだが、3人で探しても見つけることはできなかった。


索敵ポイントへのゲートを開けるテランス


紅偏閣1


左の画像の株をアップで


紅偏閣2


左の画像の株をアップで


Cotyledon sp.


Anacampseros albidiflora


最初のポイントの様子

 数百m西に離れた斜面で再度探したが、こちらでも見つけることはできなかった。だんだんと日が落ちてきたので、ゆーふぉ探しを切り上げる。


紅偏閣


左の画像の株の花(雄株の雄花)


紅偏閣4


左の画像の株の花(雌株の雌花)


名無し7−4−2


名無し7−4−3


2番目のポイントの様子

 18時15分、牧場の建物に帰投。ニコルがシャワーを勧めてくれたので、お言葉に甘える。2日ぶりのシャワーが嬉しい。さっぱりして生き返ったような気分だ。短い時間の索敵だったからE.suppressaを見つけることはできなかったが、時間をかけて探せば見つけられそうな気がした。明日は明日の予定があるけど、それを変更して明日の午前中もあそこで探してみようと考えた。

「チャンスは最大限に活かす、それが私の主義だ!」

 E.suppressaが見つけられなかったから、この辺りで車中泊して明日再度探させて欲しいとニコルにお願いすると快くOKしてくれた。さらに、ニコニコしながら、これからブライー(バーベキュー)をやるから一緒にどうぞと誘ってくれた。



もちろん断る理由はないので、またまた甘えさせてもらう。よかったら食べてと言って、Prince Albertで買ったトマトを1袋ニコルの奥さんに渡した。焚き火を囲んで談笑する。この牧場のオーナーであるニコルの家族はケープタウンの西約15kmの町 Stellenboschに本宅があり、ここには休みの時に田舎暮らしを楽しむために来るのだそうだ。普段は2家族の黒人の使用人が近くに住んでいて、牧場の管理をしている。今回はニコル夫妻と2人の姉妹、それと奥さんの従兄弟夫婦とその子供である姉弟の合計8人で来ていて、明後日まで滞在する予定とのこと。この牧場は親戚から買ったものだというが、いくらぐらいするのか気になるところだ(失礼かもしれないから訊かなかったけど)。基本的に俺と話す時以外はみんなアフリカーンス語で会話しているので、そこには全く入っていけない。それがちょっと残念だ。

 俺はコーラをいただいていたが、勧められたのでアルコールを飲んでみた。そんなに悪くない味だ。1杯目が少なくなった時にもう1杯勧められ、残っていたのを全て飲み干した。で、これが悪かった。10分ほどしてから寒くもないのに指先が震え始め、やばいなと思っていたら目が回って記憶が飛んだ。5分弱の間だと思うが、気付いたらニコルたちに抱えられていて、そのまま軒先のソファに横たえられていた。みんなが優しい言葉をかけてくれる。元々体質的に酒は弱いけど、ここまで弱くはなかったはずなんだけどなぁ。たぶん疲労が溜まっているところに、空きっ腹状態で酒を飲んだからだろう。無様なところを見せてしまったけど、ゲロ吐かなかったのが不幸中の幸い。5分ほど休んで復活し、また焚き火の周りのみんなの輪に戻る。

 21時頃になってようやくブライーができた。ラムのステーキ・現地名「クルー」というウシ科の野生動物の肉で作ったソーセージ・サラダ・パン。ソーセージの材料となったクルーは、この牧場内でテランスが銃で仕留めたものだそうだ。歓待してくれたお礼代わりに、日本から持ってきたウイスキーをニコルにプレゼントした。本当はナミビアの友人 ピエテルのために持ってきたんだけど、まあいいか。

 食後、みんなは建物の中へ。俺は車の中へ。ニコルが部屋とベッドがなくて申し訳ないと言っていたけど、とんでもない。人が8人もいるのだから、余りがあるわけない。見ず知らずの旅人をこんなに歓待してくれてこちらこそ感謝感謝だ。しかも酒で記憶を飛ばして介抱までしてもらったし。日誌を書いたり、撮り溜めた画像を見たりしてのんびりする。

 22時30分、就寝。



※Google マップの各機能が使えます

作戦終了地点  Botterkraal
本日の行軍距離  109km
総行軍距離  3254km





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