やって来たのはここ。


牧場の入口にて


 ★★★じゃんきーの知ったかぶり解説★★★


 Kruidfonteinという地名でピンときた人は博識のじゃんきーだ。この牧場は、現在世界で唯一確認されているE.obesa sub.symmetrica(旧E.symmetrica:新月)の分布地であり、Gerhard MarxがGM33のフィールドナンバーを付けた地である。また、数少ないE.horrida var.majorの分布地でもある(『THE EUPHORBIA JOURNAL』9巻75ページではこの牧場のみが分布地とされているが、その記事を執筆したGerhard Marx自身がKlipplaatの西 Burbank牧場の地に当該種のフィールドナンバー GM62を付けているという矛盾がある)。そして、俺たちタコ物キチガイの永遠のアイドル E.decepta(緑鬼玉/大宝冠)の典型的なタイプが分布している場所でもある。つまり、希少種が揃うゆーふぉの聖地なのだ。ちなみに、Prince Albertの北約90kmにある同名の集落は全くの別もの。


 ここはもちろんハント目的ではなく、見学させてもらうつもりでルートに組み込んだ。車で入口から入って母屋の近くに駐車し、歩いて近づく。声をかけると、まず奥さん、続いてJohannes Stegmann氏が出てきた。『THE EUPHORBIA JOURNAL』に載っている写真と比べるとだいぶ髪のボリュームが少なくなってはいるが、本人に間違いない。日本から新月を見に来たことを伝える。誰かの紹介かと訊かれたので、誰の紹介でもなく、Gerhard Marxが執筆した記事を読んでここのことを知ったと正直に答えた。アポなし訪問だったが、Stegmann氏は新月とマジョールの自生地への案内を快諾してくれた。

 Stegmann夫妻の乗るピックアップトラックを追うと、母屋から200〜300mほどの場所で止まった。ここ?近くねぇ?と思っていたら、そこだった。北向きではなく、南向きの緩やかな斜面だ。3人で探し始めると、10分弱でStegmann氏が1株目を見つけた。


これが新月だ!

 さらに2株見つけたが、全て雌株だった。できれば開花中の雄株も見たかったんだけどなぁ。。。Stegmann氏によると、牧場内には2ヵ所の分布地があり、案内してくれたこのポイントには3つのコロニーがあるとのこと。普及種ではあるが、自然のものはとても貴重なので、現地で見ることができて本当に良かった。


1株目


1株目を別角度で


2株目


2株目を別角度で


3株目


3株目を別角度で

 遠くに行ってしまった奥さんをここに残し、Stegmann氏の車についてE.horrida var.majorの分布地に移動する。R306号線をRietbron方面に2kmほど走ると、牧場内に丘とは言えないものの、小高くなっている岩場があり、そこにE.horrida var.majorが自生していた。周囲の平らな部分には全く生えていない。


これがE.horrida var.majorだ!

Johannes Stegmann氏も一緒に!!
















刺が最も素晴らしかった上の画像の株を上から














E.horrida var.majorの分布地の様子(中央の岩だらけのちょっとだけ高い所)

 E.horrida var.majorはどの株も素晴らしい。まるでフェロカクタス属のサボテンのようだ。特に棘が最高に素晴らしい。ここには数十株自生していて、他の場所にもコロニーがあると教えてくれた。周囲365度、見渡す限り全ての土地がStegmann家の所有である。数km南に横たわる山々の向こう側もそうだという。日本人の想像を超えるスケールの牧場だ。Stegmann氏は5代目の当主で、代々この地に住んでいるとのこと。もし来世があるなら、この家の息子として生まれたいものだ。また、フランス・ドイツ・スペイン・アメリカなど欧米各国からじゃんきーたちがこの聖地巡礼に来るとのこと。ブログ『花のきた道』の管理人もWillowmoreからStegmann氏に連れられてここを訪れているが、自分で来た日本人は俺が最初だと言っていた。

 車に戻る途中でE.ferox(勇猛閣/金碧塔)を見つけた。こいつもあるのかぁ〜。南の山中にはここよりもっと多くの勇猛閣が自生していて、丈もより高いらしい。


これが勇猛閣だ!


別株の勇猛閣


E.horrida var.majorの分布地付近の様子
こんな場所にぽつぽつと勇猛閣が自生している

 16時15分。E.horrida var.majorのポイントでStegmann氏と別れる。丁寧に謝辞を述べ、今後も貴重な新月の野生株の保護をお願いしますと全てのゆーふぉファンの思いを伝えた。まあ、俺なんかが言わなくても彼は承知しているけどね。Stegmann氏はこれまでも新月を保護してきたし、これからも保護していくだろう。彼の子々孫々に至るまで、それを続けて欲しい。普及種で絶滅の恐れはないとはいえ、やはり日本のトキのように自然個体がいなくなってしまうようなことにはなってほしくない。そんなこんなでKruidfonteinを出発した。<続く>





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