10時25分、23℃。Luckhoffの町を出発。来た道を戻って最初の休憩所に入った。サンドイッチとポテチを食べて一服する。予想外に早くE.sp.aff.aridaを見つけることができたので、時間に余裕がある。休憩後、再び南へ。BGMをTUBEの『TUBEstU』に変えた。俺にとってはこのアルバムがアフリカ遠征のBGM。遠征の残り日数は少ないけど、今回もここまで楽しく素晴らしい遠征ができている。運転しながらコーラの缶を開けた。

最高の夏休みにかんぱぁ〜いっ!!!


北ケープ州にカムバック


R48号線沿いの景色1


R48号線沿いの景色2

 11時20分、27℃。R48号線からR349号線に入り、北西へ。


R349号線沿いの景色1


R349号線沿いの景色2

 11時40分、27℃。Oranjaの町を通過。


道路沿いにある巨大な円形の耕作地で使用されているスプリンクラー

 12時45分、30℃。道路の南側にあるダチョウ牧場の様子を見てE.hopetownensisがありそうな感じがした。もうHopetownの町も近い。中に入るとオーナーである白人のおばあちゃんが話を聞いてくれた。写真を見せ、使用人の黒人にも訊いてくれたが、ここにはタコ物はないようだ。夏は45℃、冬はマイナス8℃にもなるとのことで、大地はすごく乾燥している。植物にとってはかなり過酷な環境だ。


R349号線沿いの景色3


R349号線沿いの景色4

 12時50分、30℃。Hopetownに到着。まず最初に行ったのは、前回の遠征でお世話になったタイヤ店。でも、閉まっていた。昼休みかもと思って出直すことにした。この町に来たもう1つの目的はもちろんE.hopetownensisだ。さっそく市街地の北にあるLangford牧場へ。牧場主の家を訪ねると、40代ぐらいの白人のババアが出てきたが、非常に警戒している。写真を見せながらE.hopetownensisについて訊いてみたが、それがなぜここにあるのか知っているのかとか何が目的だとか逆に質問してくる。『THE EUPHORBIA JOURNAL』の記事に住人が排他的である旨が書かれていたのである程度は覚悟していたが、取り付く島もなかった。このババアと話すのに嫌気がさしてきたので、話を切り上げて退散する。勝手に牧場内で索敵して見つかって警察に通報されると厄介なので、家から見えない東側のエリアで索敵してみたが戦果なし。

 だが、俺には考えがあった。この牧場の隣の牧場にもE.hopetownensisは自生しているんじゃないか、と。航空偵察では、地形や環境はそう変わらないので、たぶんあるだろうと考えていた。この考えに基づいて隣のWaterford牧場に突撃訪問。家の呼び鈴を鳴らすと、白人男性が出てきた。来訪した目的を話すと、昼休みに昼食のために一時帰宅をしているので、また仕事に戻らなければならないから急いでいるとのこと。週末に来てくれればと言われたが、その週末には俺は帰国する飛行機の中だ。E.hopetownensisについて訊いてみると、数はとても少ないものの、俺の予想通りこちらの牧場にもあるとのこと。非常に乾燥しているから、植物が生育するには厳し過ぎる環境なんだよと言っていた。しょうがない、E.hopetownensisは諦めよう。


Waterford牧場にて


Aloe sp.


名無し11−2−1


Waterford牧場の様子1


Waterford牧場の様子2

 13時45分。Waterford牧場脇のR382号線の路肩で昼メシ。Luckhoffで買った弁当とプチトマトだ。弁当の肉は美味しかったけど、トウモロコシだか何かのイモだかわからないもののポテトサラダもどきはなんとも言えない味。美味くもないが、不味くもない。まあ、26ランド(260円)じゃこんなもんだろ。食後、フェンスの外から中をのぞいてみたが、E.hopetownensisは見つからなかった。


昼メシ

 14時20分、32℃。Hopetownの市街地に戻る。タイヤ店はまだ閉まったまま。世話になったオーナーにちゃんとお礼がしたくてこの町に来ているのに、このまま諦めて帰ったら死ぬまで後悔する。町に入って聞き込みをし、なんとか辿り着くことができた。オーナーは街中にもうひとつ修理工場を持っていて、受付にいた彼の奥さんに呼んでもらうと奥からニコニコしながら現れた。タイヤを探しに行ってくれた人も一緒だ。あの時はきっとこの修理工場からタイヤを持ってきたのだろう。助けてもらったお礼代わりに日本持ってきたウイスキーを渡すと、お返しにと事務所に置いてあったこの国のワインをプレゼントしてくれた。久しぶりの再会に話が弾む。小学校低学年くらいの娘さんもいたので、「しっかり勉強しろよ〜」と言いながら3色ボールペンをプレゼントした。「ありがたくないプレゼントかな?」というジョークも忘れない。メールアドレスを交換し、また記念撮影をしてお別れした。のどが渇いたのでコーラを買うために前回の遠征で何度も行ったガソリンスタンドへ。でも、あの時に世話になった店員はいなかった。


前回の遠征で世話になったKobus(左)と

 15時30分、33℃。Hopetownの町を出発。

 町を出てN12号線を南へ。12kmほど走った所の最初の休憩所に入る。日誌を書きながら一服した。聞き込みは大変だったけど、Kobusに再び会って礼をすることができて本当に良かった。2年間ずっと心にひっかかっていたものがようやく取れた感じだ。世話になりっぱなしじゃ日本男児の名折れだし。俺の旅は好きなものに一直線で、他のことは全て二の次三の次。観光地なんて全く行かないけど、あちこちで人の優しさに触れて想い出がたくさんできる。そして、そんな旅を通して、人を本当に幸せにするのは金じゃないってことが確信できる。人種・国籍・言葉・宗教・習慣・その他いろいろ違いはあっても、そんなのは人と人とを隔てる壁じゃない。旅先で出会う人は良い人ばかりではないけど、笑顔で旅していれば素晴らしい出会いもたくさんある。この歳になってもこのような素晴らしい旅ができる人生を選択し、そのために若い時に努力したことは間違っていなかった。これこそ俺が望んだ生き方。そして、俺の生き様だ。青空の下、吹き抜ける風が心地良い。タバコが美味い。コーラも美味い。幸せな人生に乾杯!<続く>





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